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チタン合金材料の加工のコツ

以前、チタン合金についてご相談いただいたお客様の中には、チタン合金の加工は特に面倒だと思われている方がいらっしゃいました。ここで、RSM テクノロジー部門の同僚が、なぜチタン合金が加工が難しい材料であると考えるのかについてお話しします。その処理メカニズムや現象についての深い理解が不足しているためです。

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  1. チタン加工の物理現象

チタン合金の切削力は同じ硬度の鋼よりもわずかに高いだけですが、チタン合金の加工の物理現象は鋼の加工よりもはるかに複雑であるため、チタン合金の加工は非常に困難に直面しています。

ほとんどのチタン合金の熱伝導率は非常に低く、鋼鉄の 1/7、アルミニウムの 1/16 にすぎません。そのため、チタン合金の切削加工時に発生する熱は、すぐにはワークに伝わらず、切りくずによって奪われることはなく、切削領域に集中し、発生温度は1000℃以上にも達します。そのため、工具の刃先が急速に摩耗し、亀裂が生じ、切りくず付着腫瘍が発生する可能性があります。また、刃先が急速に磨耗すると、切削領域でより多くの熱が発生し、工具寿命がさらに短くなる可能性があります。

切削プロセスで発生する高温もチタン合金部品の表面の完全性を破壊し、部品の幾何学的精度の低下や疲労強度を著しく低下させる加工硬化現象の発生につながります。

チタン合金の弾性は部品の性能に有益である可能性がありますが、切断プロセスではワークピースの弾性変形が振動の重要な原因となります。切削圧力により「弾性」ワークピースが工具から離れて反発するため、工具とワークピースの間の摩擦が切削効果よりも大きくなります。摩擦プロセスでも熱が発生するため、チタン合金の熱伝導率の低さはさらに悪化します。

この問題は、変形しやすい薄肉部品やリング状部品を加工する場合には、ますます深刻になります。薄肉チタン合金部品を期待される寸法精度に機械加工することは容易ではありません。ワーク材料が工具によって押しのけられると、薄肉の局所的な変形が弾性範囲を超えて塑性変形が起こり、切削点の材料強度と硬度が大幅に増加します。このとき、当初決められていた切削速度が高くなりすぎ、工具の摩耗がさらに激しくなります。

加工が難しいチタン合金の元凶は「熱」!

  2. チタン合金の加工のコツ

チタン合金の加工メカニズムの理解とこれまでの経験に基づいて、チタン合金を加工するための主な技術ノウハウは次のとおりです。

(1) ポジティブアングル刃形の採用により、切削抵抗、切削熱、ワーク変形を低減します。

(2) ワークの硬化を防ぐため、安定した送りを保ちます。切削プロセス中、工具は常に送り状態でなければなりません。フライス加工時の半径方向の切削量aeは半径の30%とします。

(3) 加工プロセスの熱安定性を確保し、過度の温度によるワークの表面劣化や工具の損傷を回避するために、高圧および大流量の切削液が使用されます。

(4) 刃は鋭利な状態に保ってください。鈍い工具は熱の蓄積と摩耗の原因となり、工具の故障につながります。

(5) チタン合金は可能な限り柔らかい状態で加工してください。材料は硬化後は加工が難しくなるため、熱処理を行うことで材料の強度が向上し、刃の磨耗も増加します。

(6) 工具先端の円弧半径や面取りを大きくし、できるだけ多くの刃を入れて切り込みます。これにより、各点での切削力と熱が軽減され、局所的な損傷が回避されます。チタン合金のフライス加工においては、切削速度が工具寿命 vc に大きく影響し、次にラジアル切削(加工深さ) ae が大きく影響します。

  3. チタン加工のトラブルを刃物から解決

チタン合金加工時のブレードの溝摩耗は、切込み深さに沿った表裏の局所的な摩耗であり、多くの場合、前の加工で残った硬化層によって引き起こされます。800℃を超える加工温度での工具と被削材の化学反応と拡散も溝摩耗が発生する原因の1つです。加工中にワークピースのチタン分子がブレードの前に蓄積すると、それらは高圧高温下でブレードに「溶接」され、切りくず蓄積腫瘍が形成されます。堆積した切りくずを刃から剥離すると、刃の超硬皮膜が剥がれてしまいます。したがって、チタン合金の加工には特殊な刃材と幾何学的形状が必要となります。


投稿日時: 2022 年 9 月 27 日